2.節税対策の基本

●節税対策の基本は、相続財産を減らすか、評価額を減らすかです。

●税制上の特例は、必ず検討しましょう。

税制改正が相続税対策に影響を及ぼすこともあります。

生前贈与のメリット

 節税対策は色々ありますが、基本的な考えは下記の3つです。

 ①財産そのものを減らす

 ②財産の評価額を下げる

 ③様々な制度を利用する


 ①の代表的な方法は生前贈与です。生前に財産を贈与すれば、相続税の対象となる財産を減らすことができ、結果節税ににつながります。贈与税がかかるので金額やタイミングをよく考える必要がありますが、比較的簡単にできる方法です。


 また、生前贈与は単に節税だけでなく、もらう側にとってお金を使いたい時期にもらえるというメリットがあります。相続まで待つよりも、マイホーム購入や子どもの教育費など、一番お金が必要なときにもらえる方がうれしいと思います。

不動産を相続財産とした節税

 ②は財産を減らすのではなく、財産の評価額を下げることで節税する方法です。相続税の財産評価において、預貯金や株式は相続時の時価と相続税の評価額はほぼ同じですが、不動産は時価よりも低く評価されます。宅地の課税基準になる路線価は時価のおおむね80%固定資産税評価額は時価のおおむね70%になっているからです。また、不動産を人に貸した場合、その宅地は自由に処分できないため、その点を考慮してさらに評価額が下がります。さらに、小規模宅地等の特例を利用すれば、土地の評価額は一定の面積まで50%減額できます。

 

 その他、③の制度の利用としては、養子縁組配偶者の税額軽減などもあります。相続税の税額控除や特例は色々ありますので、それを利用すればより節税になります。

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