5.土地の評価④

借地権の評価方法

地主から借りている土地に家を建てて住んだり、店舗や工場を建てて事業を営むケースがあります。このように、建物の所有を目的として借りている土地のことを借地権(しゃくちけん)といいます。この借地権も相続財産の対象となります。土地そのものを相続するわけではなく、土地を使用する権利を相続します。


借地権の評価は、その土地を自用地(自分で利用している自分の土地。自宅が建っている土地や、自分が事業を行っている土地など)として評価した場合の評価額に借地権割合をかけて求めます。借地権割合は、路線価図または評価倍率表に記載されています。


なお、借地権には定期借地権というものがあります。更新が可能な借地権(普通借地権)に対して、定期借地権は更新がなく、定められた契約期間で借地関係が終了します。定期借地権の評価は、原則として相続時に借地人に帰属する経済的利益(保証金など)と存続期間をもとに評定した価額から求めます。

貸宅地の評価方法

一方、借地権が設定された土地は、土地を貸している地主側から見れば、貸宅地(かしたくち)となります。貸宅地も相続の対象ですが、人に貸しているとさすがに自由には使えません。そこで、その評価額は自用地よりも低くなります。一般的な貸宅地の評価額は自用地として評価額から借地権の価額を引いて求めます。


例えば、親が所有する土地に子どもが家を建てて住む場合、親子間で適正な地代の支払いがあれば貸宅地に該当します。無料で使っている場合は、使用賃借といって税務上は借地権がないものとして扱われます。結果、親の土地は自用地として評価されます。

賃貸アパートの評価方法

一軒家やアパートなどを建てて他人に貸している土地を貸家建付地(かしやたてつけち)といいます。借地権や貸宅地との違いは、土地と建物の所有者が同じという点です。しかし、借家人が住んでいることで土地所有者の権利は制限されますので、評価額が低くなります。

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