8.相続税の納付
●相続税は現金で一括納付するのが原則です。
●延納や物納という方法もあるが、適用の条件は厳しいです。
相続税の納付方法
相続税にかかる場合は、10か月以内に現金で一括納付するのが原則です。
しかし、なかには不動産や非上場株式など、評価額が高くても監禁しにくい財産を相続するケースもあります。
このように金銭で一括納付するのが困難な場合のために、相続税には、延納と物納という制度があります。
延納は分割で相続税を納める方法、物納はお金の代わりに相続財産で税金を納める方法です。
ただし、延納や物納はあくまでも例外的な制度です。
納付方法の優先順位は、①現金一括納付→②延納→③物納です。
なお、延納期間は利息に相当する利子税がかかります。
物納の場合も物納財産の収納の日までの間、利子税の負担が生じます。
延納・物納の厳しさ
延納や物納を利用するには、それぞれ一定の要件を満たす必要がありますが、この要件はかなり厳しいです。
延納や物納が認められるのは、最低限の生活費(夫婦2人で月15万円程度)を除いて、現在持っている現金や預貯金、監禁の容易な財産をほぼすべて相続税の納税にあてても納付できない場合のみです。
これには、相続や遺贈で引き継いだ財産だけではなく、相続人が元々持っていた減k人や預貯金も含まれます。
また、物納の場合、どんな財産でも物納できるわけではありません。
物納できる財産の種類や優先順位が定められています。
さらに、対象となる種類の財産でも、税務署が管理や処分に難があるとする財産(管理処分不適格財産)は、物納することができません。
例えば、境界が明らかでない土地などは、管理処分不適格財産に該当します。
物納の事前準備
物納を希望する場合は、早めに準備しておく必要があります。
特に、不動産で物納しようと考えている場合は、予定している不動産が管理処分不適格財産ではないか、事前に調査されることをおすすめします。